太平洋工業では、社員同士が支え合って仕事と家庭の両立に取り組む風土を育むため、ワークライフバランスの啓発に力を入れている。2010年から11月に「WLBの日」を設定し、全職員にハンドブックを配布して標語などを募集。人事部の田宮亜矢子さんは「最初は言葉自体の認知度も低かったが、徐々に理解の深まりを感じる」と話す。
2015年には年休取得策として、1人年12日以上を目標に掲げた。4半期ごとに消化状況をチェックし、未取得者には理由書と取得計画の提出を義務化。解決策を個別にフォローし、対前年比12%増を実現した。
また2008年から育児休業を就学前まで、2015年から育児短時間勤務を小学5年前まで順次、延長するなど、支援制度も拡充。育休取得経験のある美濃羽真由美さんは「育休が1年間だった1人目の際は、保育園の途中入園に手間取ったが、制度変更で2人目は4月の入園まで取得。状況に応じて復帰時期が選べて助かる」と話す。さらに「育児休業復帰支援プログラム」を設け、復帰直前に希望の働き方などを入念に確認するなど、円滑な職場復帰を心掛けた結果、取り組み後8年間の育休取得率は100%に。離職も減り、女性社員の平均勤続年数も男性を上回った。その他、社員のみならず地域の小学生を対象に、夏休み科学教室や環境教育などを開催し、幅広い子育て支援を行う。
育休や短時間勤務の期間延長するなどの制度拡充に加え、WLBの日を設定するなどワークライフバランスの大切さを積極的に啓発。育児や介護の際に、社員同士が支え合う風土づくりに取り組む。
従業員数/男性1522名 女性174名 計1696名 ※平成27年4月現在