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2024/08/13  ©岐阜新聞社

はぐくみのわPROJECT 一歩踏み出すきっかけを提供

 

◆県男女共同参画・女性の活躍支援センターの取り組み
 働きたいと思いながらも、子育てや介護などとの両立への不安から一歩踏み出せないでいたり、何となく自信を持てないでいたりという方もいるのでは。
 「県男女共同参画・女性の活躍支援センター」(岐阜市薮田南、OKBふれあい会館内)では、ワークシートに記入しながら自分の考えを整理した後で他の参加者と語り合う参加型の講座「キャリ☆ナビ」や、働く父親や母親に向けた専門家による講座、キャリアカウンセラーの伴走型サポートによる個別相談、求人情報を検索できる場の提供などを通して、新たな一歩を踏み出そうとする人々の背中を押している。

 

◆語り合って自分を知る 毎週水曜日に参加型の講座 キャリ☆ナビ
 県男女共同参画・女性の活躍支援センターが継続して特に力を入れているのが、参加型の講座「キャリ☆ナビ」。毎週水曜日にOKBふれあい会館内で実施している。2016年から行っており、ことし7月には550回を数えた。キャリ☆ナビをきっかけにセンターの利用を始め、キャリアカウンセラーの「伴走型サポート」による個別相談で気付きを得たり、新たなチャレンジにつながるなどした人も多い。
 キャリ☆ナビでは、同センターのキャリアカウンセラーがナビゲーターを務める。回ごとにテーマがあり、再就職や育休復帰後にどう働きたいかを問うものや、円滑なコミュニケーションについて考えるものなどとさまざま。参加者はテーマに沿った質問が書かれたワークシートに記入しながら自分の思いや考えを整理した後で他の参加者と話し合う。
 ナビゲーターは、発言を強く促すことや出た意見について否定から入るようなことはしないため、初対面同士の参加者であっても、自分の思いを打ち明けやすく、終始穏やかな雰囲気で進む。ナビゲーターは専門的な視点を交えながら、子育てと仕事の両立についてや再就職へのチャレンジ、キャリアアップ、介護などの正解のないことについて一緒に考えていく。
 参加者の満足度は高く、会場の会議室には「今までやってきたこと全てがわたしのキャリアだと気付けた」「優しい雰囲気の中、心にささるメッセージをいただけた」「自分の居場所が見つかったような安心感を得られた」などと書かれたメッセージがずらりと並ぶ。
 同じ室内で保育士の資格を持つ職員による見守りもあるため、乳幼児連れで参加することも可能。時間は午前10時からと午後2時からの各1時間(午前、午後とテーマは同じ)。参加無料で要予約。定員は各回4人。参加希望者は、事前に県男女共同参画・女性の活躍支援センターに申し込む。

 

【8、9月の日程とテーマ】
 8月24日、9月28日
 プラスを伝えるコミュニケーション~ほめ上手・ほめられ上手になろう~
 8月31日
 これからのわたしのために~子育て経験から得られるチカラ~
 9月7日
 あなたはどのタイプ?~生活シーンから考える適職診断~
 9月14日
 自分を信じるチカラ~自己効力感を手に入れよう~
 9月21日
 職場で求められるひとになるには~仕事を通じて学べるチカラ~

 10月以降も主に毎週水曜日に開催。

 

 

 

◆県男女共同参画・女性の活躍支援センター
電話 058-214-6431
HP http://gifujo.pref.gifu.lg.jp/ 
開所 月曜~土曜午前9時~午後5時
※日曜祝日、年末年始、OKBふれあい会館休館日は休み。


保育の仕事を目指す方応援

 

◆県保育士・保育所支援センターの取り組み
 数年前に大きな問題となった待機児童の問題。施設の整備が進む一方、少子化の影響で申し込み人数が減少傾向にあることから、3年連続で4月1日時点ではゼロとなっている。とは言え保育所には、産休・育休明けの保護者からの申し込みが時期を問わずあるため、保育士の数を増やさなければ新たな入所希望者を受け入れることはできない場合があったり、余裕を持って働けるよう採用に力を入れている保育所も多かったりすることから、保育士の需要は依然として高い。
 県では2018年に県保育士・保育所支援センター(岐阜市薮田南、OKBふれあい会館)を開設し、中高生や育児経験者などの保育の仕事を目指す方の支援や、資格を持っているものの保育の現場で働いていない「潜在保育士」の掘り起こしに力を入れる。各保育所の特長等もしっかり把握していることから、マッチング(無料職業紹介・就職斡旋)でも力を発揮している。今回はセンターの保育の仕事を目指す方へ向けたさまざまな取り組みを紹介する。

 

◆働く姿と学び場見て 保育所と短大訪問 中高生向けにバスツアー
 将来の保育人材の確保のためには、具体的な進路を考え始める中高生に向けたアプローチが要となってくることから、センターでは毎年、中高生を対象に、保育施設と保育が学べる大学・短期大学を一日で回る「保育のしごと」見学会を行っている。本年度は7、8月に岐阜駅と恵那駅発着、高山市内発着の計4回実施した。
 7月25日は午前9時すぎに岐阜駅に集合し、岐阜市立鷺山保育所(同市下土居)と中部学院大学短期大学部(関市桐ケ丘)をバスで回るコースを実施。中学2年から高校3年までの11人が参加した。
 鷺山保育所ではまず、就職して2年目と3年目の保育士が、仕事のやりがいや子どもと接する際に気を付けていることなどについて説明。「ズボンや靴下をはこうと頑張る姿、泣いている友達を励ます姿などを見るたびに成長に驚き、感動できる仕事」「自分が不安な表情を見せると子どもも戸惑ってしまう。子どもに寄り添った表情になるようにしている」などの話に参加者は真剣な表情で聞き入っていた。
 5歳児クラスとの交流もあり、出てきた動物の名前と同じ文字数の人数で集まるゲーム「猛獣狩りに行こう」をして盛り上がった。
 中部学院大学短期大学部では、幻想的なチャペルのパイプオルガンや図書館、実習室などを見て回った。講義の時間もあり、同学科の小室明久助教が、造形体験の意義を説明。実際の講義でも行っているという、フィンガーペイントを用いて、自分の手形を生き物に見立てたアート作品づくりに挑戦した。参加者は自分の手形をいろいろな方向から見るなどして悩みながらも、手形の回りをクレパスや折り紙で彩り、カニやウサギなどに仕上げていった。岐阜市内の高校出身の学生との座談会もあった。
 参加した高校2年の浅野大地さんは「兄弟の世話を通して自然と保育士になりたいと思うようになった。保育士や保育を学ぶ方から話を聞けたことは大きい。保育が学べる大学に進むという目標が明確になった」と話していた。

 

◆保育の魅力紹介学生セミナー 保育士が生の声届ける
 保育士資格を取得しつつも別業界へ就職する学生や、就職に対する不安を持つ学生たちに対する対策として、県保育士・保育所支援センターでは大学・短期大学と連携し、保育士の資格取得を目指す学生に対して保育士の仕事や魅力を伝える「保育の魅力紹介学生セミナー」を開催している。
 6月21日には、東海学院大学(各務原市那加桐野町)で開催。就職して3年程度の若手保育士とベテラン保育士の計3人の現役保育士が同大学を訪問し、子ども発達学科3年生に向けて、先輩保育士が学生と交流しながら仕事の魅力、やりがい、日頃の業務について説明があった。学生は就職後もスキルアップして保育環境を向上させ、優しく園児に向き合う姿勢を学ぶことができた。また、学生のうちにやっておくべきことなどのアドバイスも得られた。
 セミナー担当の神谷裕子講師は「コロナ禍で保育現場を知る機会が減ったため、現場の先生のお話はありがたい。良い面だけでなく、大変なことも含めて話を聞くことができ、将来に向けてとても参考になった」と話している。

 

◆保育士試験突破へ講座 オンラインで来月開始
 保育士試験には9教科ある中、特に教育原理、社会的養護、子ども家庭福祉、社会福祉は合格率が低く、複数回受験するという人も珍しくない。
 そこで県は昨年度から、この4教科に絞った保育士試験対策講座をオンラインで実施。今年の後期試験に向けた講座は9月15日から10月22日にかけて実施する。
 受講料無料。受講対象者は、保育士試験筆記試験の受験予定があること、試験合格後に県内の保育所等で勤務を希望していること、県保育士・保育所支援ポータルサイトにユーザー登録を行うことの3点の条件を満たす方。登録はポータルサイト上から可能。

 

◆育児しながら資格取得 センターがサポート 今春、保育士として就職 岐阜市の桜保育園勤務 窪田沙織さん
 県保育士・保育所支援センターのサポートで保育士になるという夢を膨らませ、別の仕事や育児と勉強を両立させながら保育士資格を取得し、今春から保育士として一歩踏み出した岐阜市の桜保育園の窪田沙織さんにお話をうかがいました。

 -保育士になったきっかけは。
 現在小6と小1の子どもがいます。2人目を産んだ後、「まだまだ年齢的には人生の折り返し地点。本当にやりたいことは何だろう」と考えた時、思い浮かんだのが保育士でした。
 実は母も叔母もいとこも保育士ですので、とにかく大変な仕事というイメージが強く、ずっと別の仕事をしてきました。それでも保育の仕事が気になり、2人目を産んでから少し経った頃、独学で保育士試験の勉強を始めました。最終的に合格できたのは、令和元年の秋でしたが、資格の勉強を始めて比較的間もないタイミングで県保育士・保育所支援センターの保育のしごと見学会に参加したことで、保育士という仕事を具体的に知ることができ、なりたい気持ちが強まりました。
 -桜保育園で働くことに決めた理由は。
 保育園から割と近くに住んでいますが、自分の子どもは幼稚園に通わせていたため、どこにどんな保育園があるのかということはあまりよく知りませんでした。聞いたことのある名前の保育園のホームページで見て求人を探すということもしましたが、正直よくわからなくて。センターに相談してみたところ、複数の候補を出していただけ、その中の一つが桜保育園でした。
 ここは保育士の皆さんがとても優しく、否定ではなく肯定から入ってくれてありがたいです。私のような新米保育士に対しても、できないことではなく、できることを見つけて伸ばしてくださいます。また、私自身が通っていた保育園に何となく雰囲気が似ていてほっとした気持ちになれる点も気に入っています。良い園に巡り合えたのはセンターのおかげです。
 -今後の目標は。
 子どもの成長は一人一人異なります。ゆっくりの子もその子なりにできることを少しずつ増やせるようサポートし、それぞれの成長を手伝いたいです。昨年度まで、児童発達支援センターで事務の仕事をしていたため特にそう思います。子どもたちのために自分ができることを探していきたいです。

 

◆県保育士・保育所支援センター
電話 058-214-8902
メール hoikushien@govt.pref.gifu.jp
開所 月曜~金曜午前9時~午後5時
※土日祝日、年末年始、OKBふれあい会館休館日は休み。

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