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2024/08/29  ©岐阜新聞社

はぐくみのわPROJECT まずは声を上げて 配偶者暴力相談支援センター 性暴力被害者支援センター

 

 今月12日から25日までの2週間は、内閣府などが主唱する「女性に対する暴力をなくす運動」期間。「暴力」と言うとこれまでは身体的な暴力を指していたが、最近では大声でののしったり無視をしたりして心を傷つけることも暴力であることが広く言われるようになってきた。今回のはぐくみのわでは、DVや性暴力について考えていく。

 

◆配偶者暴力相談支援センター 女⇒男、暴言もDV
 夫婦や恋人、同棲相手などの親密な関係にある人から振るわれる暴力・暴言「ドメスティック・バイオレンス」(DV)。男性から女性への殴る、蹴るなどの暴力行為がイメージされがちだが、女性から男性への暴力行為もDVになる。身体的暴力だけでなく、大声でののしる、無視をする、実家や友人との付き合いを制限する、携帯電話をチェックするなどの精神的暴力、セックスを強要するなどの性的暴力、生活費を渡さない、支出を細かくチェックする、仕事を辞めさせるなどの経済的暴力もDVになる。
 これまでは被害者への接近などを禁止する裁判所の保護命令は、身体的暴力と「生命や身体に対する脅迫」があった場合にのみ限られていたが、改正DV防止法の成立により、来年4月1日の施行後は、言葉や態度で相手を追い詰める「精神的DV」も対象になる。
 岐阜県では、配偶者暴力相談支援センターを女性相談センターや岐阜地域福祉事務所、各県事務所福祉課に設置。DV被害に悩む方の気持ちを受け止め、問題解決につなげるため広く相談を受け付けている。
 センターの担当者は「精神的暴力がDVになるということを広く知ってもらいたい」とし、法改正が追い風になることを期待。「身体的な暴力の有無に関わらず、つらい思いをしているのであれば一人で悩まず、まずは声に出してほしい」と相談を呼び掛けている。

 

《配偶者暴力相談支援センター》
県女性相談センターおよび
・岐阜地域福祉事務所 電話058-272-1929
・西濃県事務所福祉課 電話0584-73-1111
・揖斐県事務所福祉課 電話0585-23-1111
・中濃県事務所福祉課 電話0575-33-4011
・可茂県事務所福祉課 電話0574-25-3111
・東濃県事務所福祉課 電話0572-23-1111
・恵那県事務所福祉課 電話0573-26-1111
・飛騨県事務所福祉課 電話0577-36-2531
電話・面接相談時間 平日午前9時~午後5時(年末年始を除く)

 

◆県女性相談センター あらゆる悩み相談を
 配偶者や同居する家族からの暴力や近隣住民とのトラブル、病気や生活苦についての悩みなどと女性からのさまざまな相談を受け付けている県女性相談センター。センターでは必要に応じて他機関につないだり、保護が必要と認められる場合は一時保護を行うなど、新たな一歩を踏み出すための支援も行っている。
 同センターでは、昨年度3232件(対前年度比4・4%減)の相談を受け付けた。このうち近隣とのトラブルや職場内や友人との人間関係について等の相談件数は1155件(同2・4%増)、DV被害相談は1144件(同12・1%減)、一時保護件数(一時保護された女性の人数)は86件(同14・7%増)だった。
 センターでは「DVの相談件数は前年度よりも減っているものの、依然として多い印象。社会的な関心の高まりとともにDVの概念が認知されるようになったことが要因の一つ」と分析。今後もセンターの啓発活動などを通して、相談窓口の周知に努めていく。

 

《県女性相談センター》
電話058-213-2131
相談時間 午前9時~深夜0時(午後6時以降、土日祝日はDVに関する相談のみ)
※平日に面接相談あり。予約制。

 

◆性暴力被害者センター 24時間体制で寄り添う
 性暴力被害者の相談に24時間体制で対応している「ぎふ性暴力被害者支援センター」。産婦人科医療や警察などにもすぐにつなげられる体制を整え、ワンストップで総合的な支援を提供する拠点となっている。相談方法は電話やメール、対面、コミュニケーションアプリ「LINE(ライン)」とさまざま。匿名での相談もできる。相談に際し、被害に遭った時期や性別は問わない。
 同センターによると、近年目立つのがSNSで性的な写真等を送ってしまったという相談。7月に施行された改正刑法では、16歳未満の子どもに対し、相手が自分より5歳以上年下であることを知りながら、面会を要求したり、わいせつな写真等を撮影して送るように要求したりすることを禁止する「16歳未満の者に対する面会要求等の罪」が新設された。相談者に対しては、法律の情報も交えながら、一緒に考え、本人が納得できるように対応しているという。

 

◆支援員・林さんインタビュー 「自分を責めないで」
 ぎふ性暴力被害者支援センターの支援員で本年度、全国被害者支援ネットワークから最高峰の特別栄誉章を受章した林貴子さんに相談者への思いを伺った。
   ◇  ◆
 -相談者に対して心掛けていることは。
 性的なことに関しては、思春期の方の絶望の度合いは相当なもの。どれだけつらいか、どれだけ言いたくないかということを想像しながら聞くようにしています。
 -相談者に対する思いは。
 誰にも話したくない、友達や親には絶対に言えないという思いからセンターを選んでくれているのでしょう。性被害は特に、一人で抱え込むことでメンタルに影響が及ぶケースがあります。誰にも打ち明けられずに抱え込むことと、専門知識を持つ人の意見を聞いて「私が悪かったわけではないんだ」や「そういう考え方もあるんだ」と思って何年かが過ぎるのとでは、同じ被害内容であっても大きく違います。
 -LINEでの相談については。
 相手から短文で送られてきた場合は、長い文章で返されることを負担に感じるかもしれませんので、LINEの特徴を考えながら応じています。LINEで数回やり取りして終わる方もいれば電話でつながれる方もいます。こちらとしては焦らず、本人に納得していただけるようにと応じていきますので、ご自身の相談しやすいツールを使って、まずは困っている事を打ち明けていただければと思います。

 

◆男性・男児からの相談窓口を拡充
 内閣府では、性犯罪・性暴力の被害に遭った男性や男児及びその保護者等のための臨時相談窓口「男性のための性暴力被害ホットライン」と「男の子と保護者のための性暴力被害ホットライン」を12月23日まで開設している。
 男性のための性暴力被害ホットラインはフリーダイヤル0120(213)533で、受付日時は毎週土曜日の午後7時から同9時まで。男の子と保護者のための性暴力被害ホットラインはフリーダイヤル0120(210)109で、受付日時は毎週金曜日と土曜日の午後4時から同9時まで。
 これらの相談窓口はぎふ性暴力被害者支援センターとの連携もあり、被害者にとってより良い形での支援を行っていく。また、同センターでも男性が相談しやすいよう、第2、第4火曜日は男性相談員を配置している。

 

《ぎふ性暴力被害者支援センター》
#8891(全国共通短縮番号・通話無料)
電話058-215-8349
※24時間対応

 

◆チェックリストで相手との関係確認
 DV被害に遭っていても、それを愛情表現だと感じ、被害を受けていることに気付けないケースは珍しくない。逆に、無意識にDVの加害者となっていることもある。
 DV被害女性の支援を行う民間団体「あゆみだした女性と子どもの会」が作成したチェックリストを通し、パートナーとの関係が健全かどうかをいま一度考えてみてください。

 

◇パートナーとの関係は健全ですか?
次の項目であなたが経験した事のある項目にチェックを入れてください。
あなたのパートナーは・・・
□あなたのことを「お前はバカだ」「ダメなやつだ」など嫌なことを言ったりする。
□人前であなたのことをバカにしたり恥をかかせたりする。
□携帯電話に何度も電話やメールをしてきて、あなたの行動をチェックする。
□あなたが親族や友人と付き合うことを嫌がったり、悪口を言ったりする。
□携帯電話を勝手にチェックして、メールやアドレスを勝手に消去する、消すことを強要する。
□喧嘩やトラブルの原因を「お前が悪いからだ」などと言ってあなたを責め立てる。
□怒って物にあたったり大声を出したりして、あなたが恐怖を感じるような行動や態度をとる。
□叩かれる、突き倒される、髪を引っ張るなどの暴力を受けたことがある。
□セックスを断ると機嫌が悪くなったり、怒ったりする。
□常に自分の都合や考えを優先し、それに従うようにあなたに言う。
□自分の意見を言いたくても、相手にしてくれない。
□自由に外出させてくれない。

 

そしてあなたは・・・・
□パートナーの言動(不機嫌・暴言・暴力)を恐れている。
□いつもパートナーの機嫌を気にして、怒らせないように気を配っている。
□パートナーと一緒にいないときは、なんだかホッとする。
□パートナーを優先して、自分のやりたいことをあきらめたことがある。
□パートナーを怒らせないために、自分の意見は言わないようにしている。
□いつもパートナーの言うとおりに行動している。
□必要な物、自分が欲しいものがあってもパートナーの許可がいる。
□パートナーのセックスは断れない。

 

DV・デートDVは配偶者・恋人などの個人的で親密な関係に起きる暴力のことを言います。その暴力は殴る蹴ると言った身体的なものだけではありません。心理的(言葉)、性的、経済的な暴力も含まれます。相手を自分の思い通りにするために、暴力と言う手段を使って支配するのがDVです。「頬を叩かれただけ」「私が悪いからしょうがない」「口うるさいだけ」などと思わないでください。
ひとつでも該当する項目があったらDV・デートDVではないか考えてみましょう。
あなたは自分らしく幸せに生きる権利を持っています。けして一人で悩まないで下さい。
ⒸNPO法人あゆみだした女性と子どもの会(無断転用やコピーをしないでください)


清流の国ぎふ女性の活躍推進フォーラム ぎふ女のすぐれもの 女性考案の3つの商品・取組 「すぐれもの」に認定

 

◆生きざまや思いが大きな価値に 「『生きる』ということが伝わってくる」「時代感、エネルギー、思いが響いてくる」 審査委員らが講評
 女性が企画・開発に参画している商品や取組から特に優れたものを県が認定する「ぎふ女のすぐれもの」。2018年度に始まり、これまでに27の認定品が選ばれている。本年度は28社からの申請があり、有識者による厳正な審査を経て、チクマ養蜂(本巣市)のトチ蜜と、左官アートkoteto(大垣市)の左官職人でアーティストの中嶋いづみさんの取組、岐阜市や郡上市で福祉施設等を運営する株式会社ハートコンサルタントの取組が選ばれた。認定式やトークセッションなどを行う「清流の国ぎふ女性の活躍推進フォーラム」は10月31日、県庁ミナモホールで開かれ、認定品の開発に携わった代表者から思いや苦労を聞くとともにさらなる飛躍に向けてのヒントを探った。

 

 フォーラムの冒頭で古田肇知事は、ぎふ女のすぐれもののこれまでを振り返りながら「SDGs未来都市の選定を受けている岐阜県として、持続可能な社会をつくっていこうという試みを、『すぐれもの』として認定していこうではないか、何もモノにこだわる必要はないのではないかということで、モノ、サービス、コトに光を当てアピールしていけたら」とあいさつ。認定を受けた代表者に美濃手すき和紙でできた認定証を東濃ひのきの額に入れて手渡した。
 講評には、認定審査委員会座長で株式会社Fifty代表取締役の佐藤美加氏と、同委員会副座長でデザイナーの鷲見栄児氏、株式会社ワンオー代表取締役の松井智則氏、清流の国ぎふ女性の活躍推進会議座長の山口嘉彦氏が登壇。鷲見氏は「『生きる』ということが、シンプルに、そして色濃く出ている方を選ばせていただいた」、松井氏は「世の中に伝えやすいこと、ポテンシャルを持っていることが評価のポイント」、山口氏は「最初から光るものがあり、3人は人間の『圧』がずば抜けていた」と選定理由を話した上で佐藤氏は「満場一致だった。時代感、エネルギー、作り手の思いがあり響くものがあった」とし、さらなる発展に向けたエールを送った。

 

◆佐藤氏×松井氏×後藤氏×古田知事 すぐれものの発信方法探る
 トークセッションでは、佐藤氏と松井氏、古田知事に加え、岐阜市内で障がいのある女性の就労サポート事業を展開する一般社団法人サステイナブル・サポート代表理事の後藤千絵氏が登壇。佐藤氏が司会を務め、「ぎふ女の力を日本へ、世界へ」をテーマに意見を交わした。
 松井氏は、内側にフワフワのウールが使われているUGGのブーツやアシックスのシューズブランド「オニツカタイガー」のPRに携わった経験について触れながら、マーケティング戦略の重要さについて力説。佐藤氏も松井氏との関わりなどについて話しながら「有名にするにはまずはよくわかるようにすることが大切」とポイントを述べた。
 後藤氏は、東京都出身で結婚を機に岐阜にIターンして障がい者支援に携わるようになった経歴の持ち主。障がいのある女性の就労支援の場として運営している蔵のある町屋の宿「帰蝶」は、昨年度の「すぐれもの」に選ばれている。認定の受賞者として、また移住者としての視点を交えながら「岐阜には歴史も文化も自然も全ての物語がある。地理的に人の交流もある」として岐阜らしさを追求することの大切さに触れた。古田知事は8月末から9月上旬にフランス、ポーランド、ハンガリーを訪れた際に感じたことや現地の反応について言及しながら「日本の真ん中に位置していることは人やモノの交流の場になりやすい。どんなものが『すぐれもの』になりやすいかをいろんな角度から問い続けていきたい」とし、「すぐれもの」のさらなる飛躍に期待を込めた。

 

◆認定品22品がずらり 展示・販売会にぎわう
 県庁のミナモホールのホワイエでは、本年度認定を受けた「ぎふ女のすぐれもの」の商品や、商品を手掛ける際に使う道具や材料の展示、熱い思いについて書かれた大型パネルなどが展示された。
 また、ミナモホールホワイエと2階では展示・販売会もあり、22の認定品およびサービス、関連商品がずらりと並んだ。開発担当者の参加も多く、フォーラム参加者や一般の来庁者らは、開発担当者から直接、熱い思いを聞いたり、商品を手に取ったりして、独自の視点を生かした商品への理解を深めた。

 

◆「こう生きたい」が形に 本年度認定品を紹介 
 本年度、「ぎふ女のすぐれもの」として認定を受けた3件は、「わたしはこう生きたい」という心の声を、形やサービスにつなげた力作ぞろい。それぞれの魅力を紹介する。

 

◇チクマのおいしいハチミツ~トチ蜜~ チクマ養蜂
 福井県との県境にほど近い電波が届かない山奥で、推定樹齢360年のトチの巨木の近くで採蜜。父親が遺した600群の鉢と巣箱を引き継いだ姉妹が、昔ながらの純粋なトチ蜜の味わいを今に伝える。
チクマ養蜂
本巣市木知原591
https://www.chikumayouhou.com/

 

◇左官アート koteto 中嶋いづみ
 大垣市の金生山の石灰で作った漆喰と、藍染めの麻を独自配合で作り上げた色が素材。カンバスに鏝(こて)で漆喰を塗り重ねて白のベースをつくり、自分の中に湧き出るものを、鏝に導かれるように手を動かして藍を重ねて作品を仕上げていく。
左官アートkoteto
大垣市赤坂町202-1
http://koteto.jp/

 

◇職員は謙虚と感謝を忘れず、利用者様には感動と満足を提供する 株式会社ハートコンサルタント
 代表の正村直美さんの「この人、あの人のためにこうしたい」という思いが原動力。「おひさま」という名前を冠した旅館やリゾートを思わせる優雅な空間で、心に心で寄り添う介護を提供している。
株式会社ハートコンサルタント
岐阜市茜部寺屋敷2-41-2
http://ohisamanoegao.com/

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