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2021/01/27  ©岐阜新聞社

教えて!汐見先生 冬 岐阜県民間保育園・認定こども園連盟presents

個性=その子らしさを育てる時代に

 日本のしつけやほめ方にこれまでの時代のやり方が色濃く残っていて、そろそろ時代にそぐわなくなっていることがあると先回申しましたが、今回は改めて個性つまりその子らしさを育てる方法について考えましょう。

 個性というのは、その子のその子らしいところをできるだけ肯定的に受容し認めようとして生まれるものです。例えば、せっかちなタイプを「せっかち」と否定的に評価して改めさせようとするのではなく、何かあるときは最も早く行動できるタイプというふうに善く見るのです。その上で、それを無理に変えさせようとするのではなく、ときには気をつけることも必要だけど、それはおまえの善いところなんだよといって育てるということです。

 食べ物に好き嫌いが多くても、誰にも好きな色や嫌いな色があるのと同じで、それも食の個性、あまり無理に食べなくていいと対応してあげることです。舌の味覚には生理的に処理が得手苦手という個性があることは認められていて、苦手なものは食べさせられるのは拷問に等しいという子もいます。今はにんじんやピーマンを食べなくても他の食材が豊富にありますので、それで栄養失調になることはありません。好き嫌いを認めるとわがままになるというのも全くの俗説で、そうした事例は見たことがありません。逆に、ぼくは、私は、食べ物に好き嫌いが多かったのに、無理に食べさせられなかった、それがうれしかったと親の愛情を感じることが多いものです。そうして育った人はえてして個性的です。個性の芽を上手に自分の持ち味にしていったのです。

 個性=自分らしさを伸ばすには、このように弱点や短所と見えるところを否定して無理に変えようとしないこと、むしろそれがその子のその子らしいところ、と受容する姿勢がまず大事です。また〇〇ちゃんはもうここまでできるのよ!等と人と比べて育てると個性は育ちにくくなります。個性は、世界にただ一人しかいない存在という意味ですから、比べたら同じ軸で評価される人生を歩むことになります。個性が逆に消えていきます。

 さらに、ほんの小さな頃は、無条件に愛して、つまり○○ができたら愛するけれど、という愛し方ではなくて、条件を付けずに愛して、少し大きくなると、子どもの達成感を大事にして、それをその子の自信にしていくことも大事です。自己肯定感をしっかりと育んでいくことが個性育ちにつながるのです。

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