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2016/01/24  ©岐阜新聞社

出会いを創出、結婚力向上へ

 

 結婚は考えているけれど、出会うきっかけがない。結婚に向けて、何から始めたらいいのか分からない。そんな独身者の婚活を支援するため、岐阜県では多様な取り組みを進めてきた。現在は、会員同士のお見合いを支援する「ぎふ広域結婚相談支援事業」と、出会いそのものをイベントという形で創出する「ぎふ婚活サポートプロジェクト(通称コンサポ・ぎふ)」、そして独身者の結婚への意欲を高め異性とのコミュニケーション能力を身に付けてもらうことを目的とする「婚活予備校」という、3本の柱で出会いから成婚まで、トータルで支援が行われている。

30代前半、男性未婚率40%超

 現在30代前半の未婚率は、男性で全体の半数近くとなる44・7%、女性は29・4%と約3割を占める。これは男性27・0%、女性8・8%だった20年前と比較しても、大幅な増加傾向だ。平均初婚年齢も男性は1993年で28・2歳が、2013年には30・7歳に。女性も25・7歳から28・8歳と上昇している。我が国では嫡出子が出生数のうち98%を占めていることから、非婚化・晩婚化は少子化の原因にもなっていると考えられる。岐阜県が14年に行った「少子化に関する県民意識調査」によると、男女共に独身でいる理由の第1位は、「適当な相手にまだめぐり会わないから」。そこで県では、多方面から出会いの場を充実させ、県民の婚活をサポートする取り組みを進めている。

 ●ぎふ婚活サポートプロジェクト(コンサポ・ぎふ)イベントで出会いの場提供 

 

 2011年7月から実施している「コンサポ・ぎふ」では、県内の登録企業や団体、市町村と協力・連携して、出会いの場を提供することを目的としている。14年には「コンサポ・ぎふサポートセンター」を開設。イベント内容の充実化も図り「長良川花火」や「郡上おどり」「観光ヤナ」など地域の観光資源も活用して実施するなど、参加者の高い満足度を得ている。開催イベントは、「婚活イベント情報ウェブ(http://konsapogifu.com/)」で自由に閲覧でき、無料会員登録で参加申込やメール情報配信を受け取ることもできる。

 こうした取り組みが功を奏し、15年4月〜12月末までのイベント実施回数は、228回と前年度実績の2・5倍に至った。参加者も県内在住または在勤者まで拡大したことで、前年度比1・9倍の5118人となり、前年度比3・1倍となる595組のカップル成立という、大きな成果を上げている。
 またイベントと並行して、独身者対象のコミュニケーション能力セミナー「婚活予備校」を開講。自己分析テストの結果から、きっかけづくりのノウハウを学び、最終的には実践として参加者同士が交流する場を設ける。参加者からは「性格を見直すきっかけになった」「出会いや結婚に対する不安が解消した」という声や今後の開催ニーズも高く、県は継続して取り組む考えだ。

●ぎふマリッジサポートセンター 効果的な結婚支援体制整備

 そして、昨年8月には、より効果的な結婚相談支援体制を整えるため、「ぎふマリッジサポートセンター」が新たに開設された。独身者向けの結婚支援や「コンサポ・ぎふ」イベント等に関する総合的な案内窓口として機能するほか、14年10月からスタートした「ぎふ広域結婚相談事業支援ネットワーク」の事務局として、市町村枠を超えた県内の広域お見合いをサポート。市町村等の結婚相談所間の調整役を担い、県全体での婚活支援を強化する。

ぎふ広域結婚相談事業支援ネットワーク 結婚相談所が連携 広域でマッチング

 「ぎふ広域結婚相談事業支援ネットワーク」は、県内の市町村結婚相談所をネットワークでつなぎ、広域でマッチングをサポートするシステムとして、2014年10月からスタート。参画する結婚相談所で登録申し込みをすれば、パソコンやスマートフォンで、ネットワークに登録する会員情報を検索・閲覧できる。より詳しい情報を知りたい場合やお見合いを希望する場合には、各相談所で対応してもらえる。現在は12の結婚相談所が参画し、事務局を務めるぎふマリッジサポートセンターを通じて、より広範囲でお見合いの機会を提供している。

 開設当初から参画する各務原市結婚相談所は、30〜40代を中心に、男性約250人・女性約100人が利用。そのうち3分の2が、ネットワークに登録している。市町村枠を超えたマッチング成果も出てきており、ネットワークが利用できることを理由に来所する人や、電話での問い合わせも増加しているという。相談員を務める三島佐智子さん(63)は、「サポートセンターを介すことで、地域間のやりとりも非常にスムーズになった。条件を見て『自分には無理かも』と相談に来る人も多い。まずはじっくり話を聞いて、少し背中を押してあげられるよう努めている」と話す。
 また相談員は、サポートセンター主催の相談員合同研修に参加。講義でスキルアップを図るほか、相談員同士の交流を深める場を設け、悩みやノウハウを共有することで、各相談所の連携支援を目指す。「他地域の実情は非常に参考になった。交流会ではどのようにネットワークを活用しているかなど、質問を受けることも多く、悩みなどを共有できた」と相談員の岩井要子さん(62)。ネットワークを通じて、さらなる支援の輪が広がりそうだ。

ぎふ婚活サポーター 周囲の独身者へ細かく情報提供

 県は結婚支援事業の一環として「ぎふ婚活サポーター」を養成する。ぎふ婚活サポーターは、独身者へ婚活イベントの案内や結婚に関する相談・仲介などを行う一般市民の登録制ボランティア。主な活動内容として、県や各市町村が実施するお見合いイベントに立ち会い、消極的な独身者に対して話題を提供し、会話の手助けをしたりする。その後成立したカップルに対してフォローもしていく。
 県や各市町村による結婚支援事業に関する情報提供を行い、自分の身近にいる独身者にリーフレットなどを配布する。自営業などのサポーターの店舗にもリーフレットを設置したり、サポーターを示すステッカーを張ったりして相談に乗る。また、「ぎふマリッジサポートセンター」や「ぎふ広域結婚相談事業支援ネットワーク」を紹介し、必要に応じてセンターへの登録を促す。
 サポーターへの登録にあたり、県は昨年12月から県内5圏域で養成研修を実施。研修では、県の結婚支援事業やぎふ婚活サポーターの活動についての説明、「信頼される婚活サポーターを目指して」と題した専門家による講演が行われ、合計72人が参加した。岐阜市での研修に参加した花木広美(62)さんは「県のバックアップなら安心して利用できると思います。県に婚活の手助けをしてくれるサービスがちゃんとあることをもっとたくさんの人に知ってもらいたい。少しでも多くの人が結婚できるようになってほしいですし、子どもが結婚することで親御さんにも喜んでもらいたい」と話し、今後の活動に意欲をみせていた。

 

2016年1月24日 岐阜新聞朝刊掲載

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2021/10/18  ©岐阜新聞社