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2020/05/19  ©岐阜新聞社

はぐくみのわPROJECT 一人で抱え込まないで DV

配偶者や恋人から、こんな被害を受けたことはありますか。

これらはすべてDVで、犯罪となる行為を含む重大な人権侵害です。

【身体的暴力】 殴る、蹴る、首を絞める、物を投げる、突き飛ばす、肩を押すなど
【精神的暴力】 大声でののしる、脅す、無視をする、恥をかかせるなど
【性的暴力】  セックスを強要する、避妊に協力しない、ポルノを無理やり見せるなど
【経済的暴力】 生活費を渡さない、支出を細かくチェックする、金銭的自由を与えないなど
【社会的暴力】 実家や友人との付き合いを制限する、行動を監視する、携帯電話をチェックするなど

 

配偶者暴力相談支援センター コロナ禍、DV増を危惧

 
 配偶者や恋人からの暴力・暴言で悩んでいる方の相談窓口として県は、県女性相談センターや各県事務所福祉課・岐阜地域福祉事務所など全9カ所に「配偶者暴力相談支援センター」を設置している。
 県女性相談センターによると、昨年同時期と比べ、新型コロナウイルスの影響で外出自粛が求められるようになってからの相談件数は、「減っている印象」だという。県の担当者は「これまで夫が外出中に相談することができていたが、お互いが一日中家にいるため、DVで悩んでいるにも関わらず、電話で相談することすら難しくなっているのでは」と危機感を募らせている。
 相談の電話をかけることができた人からは「外出自粛が始まってからけんかが増えた」「家に長時間夫がいることへのストレスから、体調を崩してしまった」など、生活の変化を話す人もいるという。また、「職を失った」「求職活動ができない」など、生活への不安を訴える人も「普段よりも多いという感触がある」と言い、相談内容に合った支援機関につなげる場合もある。
 状況によっては、被害者の緊急一時保護を行い、新たな一歩を踏み出すための支援を行う場合もある。
 県の担当者は「DV被害に悩む方の多くは、他の問題も抱えている。当センターだけで全てを解決させることは難しいが、適切な機関を紹介することはできる。悩んでいるならば、まずは相談してほしい」としている。
 
 
 
電話058―213-2131
平日午前9時から午後9時、
土日祝午前9時から正午、午後1時から同5時
※DV相談+(内閣府)は
フリーダイヤル0120―279―889、24時間受付
 

 

◆民間団体も多彩にサポート

 
 民間団体でも、DV被害者からの相談にのったり、講座や座談会を開いたりして支援活動をしているところがある。今回は、2団体の活動を紹介する。
 

 

 

◆家族からの相談、外出自粛で増加 あゆみだした女性と子どもの会

 
 NPO法人「あゆみだした女性と子どもの会」(廣瀬直美理事長)では、DV被害の相談や自立支援、離婚後に別居親と子どもを会わせる面会交流や、加害者更生プログラム、高校や大学でのデートDVについて伝える講座を開くなど、多様な支援を行っている。
 新型コロナウイルスによる外出自粛の影響で、「夫や子どもと長時間一緒にいることから、被害を受けていても外部に相談しづらい状況が続いている。夫と離れることができたわずかな時間を使って、ショッピングセンターのトイレからの電話をかけて来た方もいるほど。本人が相談しにくいことから、家族からの相談も増えている」と廣瀬理事長。しばらくDVが落ち着いていたにもかかわらず、この数か月間で激しくなったという相談も多いという。
 廣瀬理事長は「被害者が電話をかけにくい状況が続いているため、相談件数が急増しているということはないが、深刻さが増しているのであろうという感覚はある。状況によっては面談を行うこともできる。メールでの相談も受け付けているので、一人で抱え込まずにまずは連絡を」と呼び掛けている。電話相談は携帯電話080(1613)1515。相談は月~金曜日の午後1時から同5時まで。

 

◆被害者同士が語れる場提供 手をつなぐ女たちの会

 
 DV当事者同士の交流会「手と手と手」の開催や、被害者からの電話やメール相談などを通してDV被害者支援に取り組んでいるNPO法人「手をつなぐ女たちの会」(片桐妙子理事長)。離婚の成立や新生活の開始などでしばらくは連絡のなかった人から、久しぶりに連絡が来るケースが最近増えていると言い、片桐理事長は「新型コロナウイルスによるストレスで、DVを受けていた時のことをフラッシュバックしてしまった方もいる。今だからこそ打ち明けたい思いがあるのでは」と考え、(密閉、密集、密接の)3密に配慮をした上で4月に交流会を開いた。普段よりも多い7人の女性が参加し、それぞれが気付きを得たり、人に話すことですっきりしたりすることができた。
 片桐理事長は「夫が家にいることで女性が強いストレスを感じたり、夫が新型コロナウイルスのストレスからDVや虐待に走ったりすることが増えているのではと心配している。可能な限り、交流会を開くなどして寄り添っていきたい」としている。
 交流会は毎月第2金曜日午前10時30分から美濃加茂市内で開催。参加無料。匿名参加も可能で、託児もある。参加希望者は、携帯電話090(2181)1489、メールアドレスtunagu7@docomo.ne.jpに申し込む。

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