岐阜県 子育て情報発信サイト はぐくみのわPROJECT
  >  はぐくみのわニュース  >  はぐくみのわプロジェクト 児童虐待、性暴力、DVのない世界に 性暴力被害者支援センター
2020/10/18  ©岐阜新聞社

はぐくみのわプロジェクト 児童虐待、性暴力、DVのない世界に 性暴力被害者支援センター

◆24時間開所、緊急処置にも対応
◇行為者の意識変化が不可欠 塚本さん/合意ない状態=相手が悪い 堀内さん
 性暴力被害者の相談に24時間体制で対応している「ぎふ性暴力被害者支援センター」。平日の日中は専門的な研修を受けた相談員らが対応。緊急医療処置が必要なケースにも即座に対応するため、平日の午後8時から午前10時までと土日祝日は、外部の看護師ら医療関係者につながるようにしている。
 同センターは、犯罪被害者支援センターが県の委託を受け、2015年10月に開設。産婦人科医会や弁護士会、臨床心理士会、警察など関係機関と連携し、ワンストップで総合的な支援を提供する拠点となっている。
 相談員は電話や直接会って話を聞く以外にも、必要に応じて医療機関や警察などへ同行する場合もある。後々、法的手段を取る際に備えて、発生から間もない場合は、本人の意向も踏まえながら、証拠の採取、保管を行う手続き等も担っている。
 昨年度の相談件数は837件(18年度比20・1%減)だった。同じ相談者でもセンターに連絡のあるたびに相談件数に計上していることから、大幅な減少について県子ども家庭課は、同じ人による複数回にわたった相談が終わったためで「被害全体が減ったわけではない」としている。
 被害者の大半は女性であるものの、男性の被害者もいることから、男性被害者がより相談しやすい環境を作ろうと、第2・4火曜日の午後4時~同8時の間、電話相談に男性相談員も配置している。
 ぎふ性暴力被害者支援センターで相談業務に当たっている事務局次長の塚本真美子さんと、相談員の堀内美加代さんにセンターについてうかがった。
    ◆     ◆ 
 -センターにはどんな相談が寄せられていますか。
 塚本さん SNS上で出会った人と実際に会った際に嫌な思いをしたという未成年者からの相談が増えているように感じます。4~8月までを振り返ってみますと、昨年度と比べ、電話相談の件数はやや減りましたが、メールでの相談は増えました。
 堀内さん 被害に遭った直後で、犯罪として立件できそうな事案もありますが、多いのが「はっきりと断らなかった自分も悪いのだけれど」「性暴力にならない程度の話かもしれませんが」などと言って相談される方です。十年以上前に被害に遭った時の話をされる方も多くいます。
 確かに、ずいぶん前の話や漠然とした被害ですと、犯罪としての立件は難しいです。しかし、立件できなくても性暴力は性暴力で、どれだけ前の話であっても、つらい思いが続いているなら、それは「終わった」話ではありません。私たちは「合意のない状態での性行為=性暴力で相手が100%悪い」という前提で話をうかがっています。
 -相談を受ける際に心がけていることは。
 堀内さん 性暴力の苦しみの一つに、他の犯罪被害と比べて自分の言っていることを信じてもらいにくいという点にあると思います。「言い掛かりをつけている」などと思われることもあるようです。私たちはまずはすべてを信じることから始めます。そのまま受け止め、必要な支援や情報提供をしながら寄り添っていくようにしています。
 また、重大と思われる事案であっても、私たちが「それは大変。早く何とかしないと」と前のめりになると、被害を受けた方が引いてしまうことになりかねませんので、相手のペースに合わせて聞くことが大切なことだと考えています。私たちが率先して警察に通報等することはなく、証拠の採取などについても本人の意思を尊重しています。
 -被害を受けて苦しんでいる方に向けては。
 塚本さん 性暴力に遭ったことを知人や家族に話すのは困難なことです。「親に心配掛けたくない」という方もいますが、近い関係であるほど打ち明けたくない気持ちはとても理解できます。当センターのような守られた機関に相談を寄せることで、少しでも心が軽くなっていただければと思います。
 堀内さん 誰にでも、自分の力で「これからはこうしていけばいい」と、思える力があると信じています。私たちは、その力が出せるよう半歩後ろを歩きながら選択肢を教える「山岳ガイド」のような存在です。支援を継続するうちに2歩、3歩と距離を取っていき、立ち直っていく姿を見送れることを願っています。
 -最後にメッセージを。
 塚本さん 性暴力をなくすには、行為者の意識を変えることが不可欠です。はっきりとした行為のみを性暴力と言うわけではありません。職場などで異性と接する際の「この程度なら良いだろう」は今の世の中では通用しないことを認識する必要があります。
 また、学校内や家庭内で「当たり前」に行われていることの中には、当たり前では片付けてはいけないようなこともあります。「小さな子どもだから」「自分の娘だから」という意識が、相手につらい思いをさせてしまっているかもしれません。もし、相手の何気ない言葉や行動で困っているのであれば、気軽に相談をしてくださいね。
 堀内さん 被害を受けたことを「恥」だと感じて、苦しみ続けている方もいます。明確なことでなくても、モヤモヤした気持ちを抱えているのであれば、それがいつ起こったことでも構いませんし、個人情報や被害の全容を話したくない場合でも、相談を受けることはできますので、連絡していただければと思います。

◆コロナ禍、DV増を懸念 県女性相談センター 「まず声に出して」
 夫や恋人からの暴力、夫婦間や男女間のトラブル、生活上の問題など、女性が抱えるあらゆる悩みに寄り添い、解決法を一緒に探っている県女性相談センター。同センターによると、新型コロナウイルスの影響で4、5月頃は仕事や今後の生活についての相談が増えたという。男女間のトラブルに関する相談件数は「減っている印象」だとし、「在宅勤務などの影響でお互いが家にいる時間が増えたため、DVで悩んでいるにも関わらず、電話で相談することすら難しくなっているのでは」と危機感を募らせている。
 配偶者や恋人からの暴力・暴言で悩んでいる方の相談窓口は、県女性相談センターだけではない。各県事務所福祉課・岐阜地域福祉事務所にも「配偶者暴力相談支援センター」を設置して対応している。相談内容に基づき、新たな一歩を踏み出すための支援を行ったり、適切な機関を紹介したりしている。各市の福祉事務所や民間団体でも相談を受け付けている。
 県女性相談センターの担当者は「相談者からは『電話で話を聞いてもらえただけで心がすっきりした』と言われることも多い。『この程度のこと』と思わず、モヤモヤしていることがあれば、どこの窓口でもいいので、まずは声に出してほしい」と話している。

◆チェックリストで相手との関係確認
 殴る蹴るの暴力だけでなく、金銭的自由を与えないこと、家族や友人との付き合いを制限することなどもDVに当てはまる。DV被害に遭っていても、それを愛情表現だと感じ、被害を受けていることに気付けないケースは珍しくない。逆に、無意識にDVの加害者となっていることもある。
 DV被害女性の支援を行う民間団体「あゆみだした女性と子どもの会」が作成したチェックリストを通し、パートナーとの関係が健全かどうかをいま一度考えてみてください。

《パートナーとの関係は健全ですか?》
次の項目であなたが経験した事のある項目にチェックを入れてください。

あなたのパートナーは・・・
□あなたのことを「お前はバカだ」「ダメなやつだ」など嫌なことを言ったりする。
□人前であなたのことをバカにしたり恥をかかせたりする。
□携帯電話に何度も電話やメールをしてきて、あなたの行動をチェックする。
□あなたが親族や友人と付き合うことを嫌がったり、悪口を言ったりする。
□携帯電話を勝手にチェックして、メールやアドレスを勝手に消去する、消すことを強要する。
□喧嘩やトラブルの原因を「お前が悪いからだ」などと言ってあなたを責め立てる。
□怒って物にあたったり大声を出したりして、あなたが恐怖を感じるような行動や態度をとる。
□叩かれる、突き倒される髪を引っ張るなどの暴力を受けたことがある。
□セックスを断ると機嫌が悪くなったり、怒ったりする。
□常に自分の都合や考えを優先し、それに従うようにあなたに言う。
□自分の意見を言いたくても、相手にしてくれない。
□自由に外出させてくれない。

そしてあなたは・・・・
□パートナーの言動(不機嫌・暴言・暴力)を恐れている。
□いつもパートナーの機嫌を気にして、怒らせないように気を配っている。
□パートナーと一緒にいないときは、なんだかホッとする。
□パートナーを優先して、自分のやりたいことをあきらめたことがある。
□パートナーを怒らせないために、自分の意見は言わないようにしている。
□いつもパートナーの言うとおりに行動している。
□必要な物、自分が欲しいものがあってもパートナーの許可がいる。
□パートナーのセックスは断れない。

DV・デートDVは配偶者・恋人などの個人的で親密な関係に起きる暴力のことを言います。その暴力は殴る蹴ると言った身体的なものだけではありません。心理的(言葉)、性的、経済的な暴力も含まれます。相手を自分の思い通りにするために、暴力と言う手段を使って支配するのがDVです。「頬を叩かれただけ」「私が悪いからしょうがない」「口うるさいだけ」などと思わないでください。
ひとつでも該当する項目があったらDV・デートDVではないか考えてみましょう。
あなたは自分らしく幸せに生きる権利を持っています。けして一人で悩まないで下さい。
ⒸNPO法人あゆみだした女性と子どもの会(無断転用やコピーをしないでください)

【性暴力、DVの電話相談窓口】
▽ぎふ性暴力被害者支援センター
電話 058ー215ー8349
24時間対応
▽県女性相談センター
電話 058-213-2131
電話相談対応日時:平日午前9時~午後9時、土日祝日午前9時~正午、午後1時~午後5時(年末年始除く)
▽あゆみだした女性と子どもの会
電話 080-1613-1515
電話相談対応日時:平日午前10時~午後5時
▽手をつなぐ女たちの会
電話 0575-25-1489
電話相談対応日時:毎週木曜午後0時30分~午後4時(祝日・年末年始除く)

\ この記事をシェアする! /
2021/07/08  ©岐阜新聞社