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2020/10/18  ©岐阜新聞社

はぐくみのわプロジェクト 児童虐待、性暴力、DVのない世界に

 世界で猛威を振るう新型コロナウイルスの影響により、失業や収入減、自宅で過ごす時間の長時間化など、ほとんどの人がこれまでとは違う生活を余儀なくされている昨今。県や関係団体などは、不安やストレスが妻やパートナー、子どもへの暴力の引き金になり、児童虐待やドメスティックバイオレンス(DV)が深刻化しないかと懸念を示している。
 厚生労働省の専門委員会が今年9月に発表した調査結果によると、2007年1月から18年3月にかけて発生・発覚した児童虐待による死亡事例270件のうち、実母がDVを受けていたケースは51人(18.9%)に上った。
 このように密接な関係性がある児童虐待とDV。被害に遭う人を一人でも多く減らすため県や民間団体等は、相談窓口の充実や啓発、サポート体制の強化に力を入れている。11月の児童虐待防止推進月間および11月12~25日までの「女性に対する暴力をなくす運動」(本年度のテーマ:性暴力を、なくそう)期間を前に、各団体の取り組みを紹介する。

◆昨年度の県子ども相談センター 児童虐待相談、過去最多2280件 警察との連携定着、通告件数が増加
 県内5カ所の県子ども相談センター(児童相談所)が昨年度に対応した児童虐待の相談対応件数は2280件(対前年度比62・3%増)で過去最多となった。
 前年度と比べ、警察からの通告件数が363件増加の828件となったことが、全体の件数が増えた大きな原因の一つ。2017年に県と警察が互いに虐待に関する情報を共有する協定を結び、さらには翌年、対象を全件共有に広げるなど連携を強化。定着したことから増加につながった。また、学校等(同174件増の382件)や、市町村(同170件増の323件)からの通告件数も増加。県は「19年1月の千葉県野田市の虐待死亡事件等を教訓として、学校、市町村等関係機関が早期の情報共有に努めた結果だと考えられる」としている。
 県に寄せられた相談を内容別にみると、最も多いのが暴言や罵声、無視など心理的虐待による相談で1061件(全体の46・6%)に上る。次に多いのが身体的虐待で851件(同37・3%)、3番目は保護の怠慢・拒否(ネグレクト)で338件(同14・8%)と続いた。
 虐待を受けた児童の年齢は7~12歳が928件で全体の40・7%と最も多く、3~6歳は546件、3歳未満が356件。全体の年齢構成比は18年度とほぼ変わらなかった。虐待者は実母が1091件と全体のほぼ半数を占めた。児童虐待により一時保護を行った件数(委託一時保護を含む)は341件(同71・4%増)だった。
 虐待相談の対応として、親元から児童を離して施設に入所させたのは62件で全体の2・7%にとどまる一方、面接指導は2133件と93・6%に達した。面接指導の割合は過去最高で、県は「児童相談所虐待対応ダイヤルの認知や県民の意識の高まりにより、軽微な虐待事案でも通告があり、重篤化する前に迅速に対応できたため」としている。
 県では本年度、新型コロナウイルスの影響による生活不安やストレスにより、児童虐待が深刻化しないかと懸念。相談窓口の周知を強化していくとしている。
 県子ども相談センターとは別に集計している市町村における児童虐待相談対応件数は1295件(対前年度比341件増)で、同じく過去最多だった(同センターとの重複件数は不明)。

◆児童相談所虐待対応ダイヤル 189(いちはやく)を知って
 県では、児童虐待に関して電話による通報や相談を24時間受け付けている。児童相談所虐待対応ダイヤル「189(いち・はや・く)」に電話すれば、近くの子ども相談センターにつながる。
 固定電話からかけた場合、発信した電話番号から管轄が特定され、子ども相談センターへ転送される仕組み。携帯電話からであれば、オペレーターが発信者の居住地に関する情報を聞き、管轄を特定して転送する。通告や相談は、匿名で行うこともできる。
 子どもたちにも「189」を知ってもらおうと、県は、「お家で嫌なことがあったら、189番に電話してね」などのメッセージと清流の国ぎふマスコットキャラクターのミナモが書かれたカードを作製。デザインや呼び掛けの言葉は、小学生、中学生、高校生で異なる。県内全ての小中高校で配布し、困った時の相談を呼び掛けている。

◆オレンジの傘でリボンを作ろう 人文字で児童虐待防止PR 来月8日開催 参加者募集
 オレンジ色の傘を300人が一斉に広げ、児童虐待防止のシンボルのオレンジリボンを作る「オレンジリボン人文字イベント」が11月8日午前11時から、岐阜市の長良川競技場の芝生広場で開かれる。同イベントを主催する県内の児童養護施設やNPO法人の関係者でつくる任意団体「オレンジリボン岐阜ネット」は、イベントで一緒に傘を広げる有志を募集している。
 オレンジリボンは、2004年に栃木県小山市で2人の幼い兄弟が度重なる暴行を受けた末、橋の上から川に投げこまれて亡くなったことから、地元団体が二度とこのような事件が起こらないようにとの願いを込めて始めた児童虐待防止運動の象徴。
 県内では、08年から昨年まで、児童福祉の関係者や学生らがオレンジ色のたすきを身に着けて公道を走る「岐阜オレンジリボンたすきリレー」を行い、児童虐待の問題について広く発信してきた。昨年5月にオレンジリボン岐阜ネットが発足したのを機に、同団体がリレーの運営を引き継いだ。ただ、本年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のためリレーの開催を断念。新たに「オレンジリボン人文字イベント」を企画した。完成したオレンジリボンはドローンで空撮する。
 人文字を完成させるため、参加者が立つ場所は同団体が調整する。傘を開けることを前提に配置するため、隣の人との距離は2メートルほど確保できる。また、家族同士や団体のスタッフ同士を近くにすることで接触する人数を減らすなどの工夫を凝らす。
 同日に長良川競技場で行われる予定のFC岐阜のホームゲームでも啓発を実施。県内の児童養護施設で暮らす子どもたちや施設職員、ボランティアなど80人が、「子どもの笑顔を守りたい」と書かれたフラッグやのぼり旗を持って競技場内のトラックを回ってサッカーファンらに訴える。岐阜地区の4施設は、それぞれが畳一枚ほどのフラッグに寄せ書きやイラストを書いたものを制作して掲げる。
 同団体会長で子ども家庭支援センターぎふ「はこぶね」の長縄良樹統括施設長は「オレンジリボンをみんなで作って心の輪をつなげ、児童虐待防止について広く訴えていきたい」と話している。
 人文字イベントの申し込み・問い合わせは、はこぶね内のオレンジリボンたすきリレー事務局、電話058(296)2172。

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