岐阜県 子育て情報発信サイト はぐくみのわPROJECT
  >  はぐくみのわニュース  >  【はぐくみのわPROJECT】ストップ!!児童虐待、DV、性暴力
2021/10/19  ©岐阜新聞社

【はぐくみのわPROJECT】ストップ!!児童虐待、DV、性暴力

はぐくみのわPROJECT】

ストップ!!児童虐待、DV、性暴力

 多少は収束したとは言え、新型コロナウイルスの影響で、失業や収入減、自宅で過ごす時間の長時間化などにより、気持ちが長期間にわたって落ち込み、精神的なダメージを負っている人も少なくないであろう昨今。県や関係団体などは、不安やストレスが妻やパートナー、子どもへの暴力の引き金になり、児童虐待やドメスティックバイオレンス(DV)が深刻化しないかと懸念を示している。
 児童虐待やDV被害に遭う人を減らすために県や民間団体等は、相談窓口の充実や啓発、サポート体制の強化に力を入れている。11月の児童虐待防止推進月間および11月12~25日までの「女性に対する暴力をなくす運動」(本年度のテーマ:性暴力を、なくそう)期間を前に、各団体の取り組みを紹介する。

昨年度の県子ども相談センター 児童虐待相談、2268件対応

◆前年度並みの高い水準 軽微な段階での通報定着
 県内5カ所の県子ども相談センター(児童相談所)が昨年度に対応した児童虐待の相談対応件数は2268件(対前年度比0・5%減)で過去最多だった前年度並みとなった。同センターは、2017年に県と警察が互いに虐待に関する情報を共有する協定を結び、さらには翌年、対象を全件共有に広げるなど連携を強化、定着したことから件数が高止まりしたと分析している。
 県に寄せられた相談を内容別にみると、最も多いのが暴言や罵声、無視など心理的虐待による相談で1178件(全体の51・9%)に上る。次に多いのが身体的虐待で824件(同36・3%)、3番目は保護の怠慢・拒否(ネグレクト)で237件(同10・5%)だった。
 虐待を受けた児童の年齢は7~12歳が865件で全体の38・1%と最も多く、3~6歳は559件、3歳未満が365件。虐待者は実母が1010件、実父は918件だった。
 虐待相談の対応として、親元から児童を離して施設に入所させたのは46件にとどまる一方、面接指導は2068件と91・2%に達した。市町村送致、その他は112件で前年の約2倍となった。県は「児童相談所虐待対応ダイヤルの認知や県民の意識の高まりにより、虐待が軽微な段階で早めに通報されることが増え、対応として市町村送致の件数が増えた」としている。
 県子ども相談センターとは別に集計している市町村における児童虐待相談対応件数は1394件(対前年度比78件増)で、過去最多だった(同センターとの重複件数は不明)。

◆虐待対応ダイヤル 189(いちはやく)は通話料無料 相談専用ダイヤルも無料に
 児童虐待に関する通報を24時間体制で受け付けている児童相談所虐待対応ダイヤル「189(いち・はや・く)」。189に電話すれば、近くの子ども相談センターにつながる。通話料は無料。
 固定電話からかけた場合、発信した電話番号から管轄が特定され、子ども相談センターへ転送される仕組み。携帯電話からであれば、オペレーターが発信者の居住地に関する情報を聞き、管轄を特定して転送する。通告や相談は、匿名で行うこともできる。
 子どもたちにも「189」を知ってもらおうと、県は、「お家で嫌なことがあったら、189番に電話してね」などのメッセージと清流の国ぎふマスコットキャラクターのミナモが書かれたカードを作製。デザインや呼び掛けの言葉は、小学生、中学生、高校生で異なる。県内全ての小中高校で配布し、困った時の相談を呼び掛けている。
 虐待対応ダイヤルとは別に、保護者らからの相談を全般的に受け付けている児童相談所相談専用ダイヤルもあり、今年7月からフリーダイヤルとなった。
 新しい番号は0120(189)783(いちはやく・おなやみを)。189同様、発信した番号から管轄が特定され、近くの子ども相談センターへつながる。

◆400人が心一つ虐待防止PR オレンジの傘でリボンと「189」を表現へ 来月7日実施、参加者募集
 有志が一斉にオレンジ色の傘を広げ、児童虐待防止のシンボルのオレンジリボンを作る「オレンジリボン人文字イベント」が11月7日午後1時から、岐阜市の長良川競技場の芝生広場で開かれる。同イベントを主催する県内の児童養護施設やNPO法人の関係者でつくる「オレンジリボン岐阜ネット」は、イベントで一緒に傘を広げる参加者を募集している。
 オレンジリボンは、2004年に栃木県小山市で2人の幼い兄弟が度重なる暴行を受けた末、橋の上から川に投げこまれて亡くなったことから、地元団体が二度とこのような事件が起こらないようにとの願いを込めて始めた児童虐待防止運動の象徴。
 県内では、08年から12年間にわたって児童福祉の関係者や学生らがオレンジ色のたすきを身に着けて公道を走る「岐阜オレンジリボンたすきリレー」が行われていたが、昨年度からはリレーの代わりに「オレンジリボン人文字イベント」を行っている。
 今年はオレンジリボンに加え、児童相談所虐待通報ダイヤル「189」も人文字で作る予定。そのため、昨年度よりも100人多い、400人の協力者を集める必要がある。当日に参加者が立つ場所は同団体が調整し、傘を開けることを前提に配置するため、隣の人との距離は2メートルほど確保できる。また、家族同士や団体のスタッフ同士を近くにすることで接触する人数を減らすなどの工夫を凝らす。傘は感染リスクから再回収はせず、参加者が記念品として持ち帰る。当日の様子はドローンで撮影され、動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」での配信も予定している。
 さらには同日に長良川競技場で行われるFC岐阜のホームゲームでも啓発を予定。県内の児童養護施設で暮らす子どもたちや施設職員、ボランティア、県内のマスコットキャラクターらが「子どもの笑顔を守りたい」と書かれたフラッグやのぼり旗を持って競技場内のトラックを回ってサッカーファンらに訴える。
 同団体会長で事務局のある子ども家庭支援センターぎふ「はこぶね」の長縄良樹統括施設長は「昨年初めて行い、みんなが力を合わせると美しいものができると実感した。コロナの影響であらゆるイベントが中止になっているが虐待防止運動に中止はない。今年も力を合わせてしっかりとPRしていきたい」と意気込んでいる。

 
 子ども家庭支援センターぎふ「はこぶね」では、24時間体制で、子育てに悩む保護者からの相談を受け付けている。夜間の相談はほぼ毎日、山田暁美センター長が担当。山田さんは「緊急性の高い相談もあるが、全体的には精神的に追い詰められている母親からの相談が多い」と分析。「母親自身の生い立ちや悩みを話されることも多く、その中で感じるのは自己肯定感の低さ。頑張ってではなく『できたらまた教えてください』と話すと、できたときに報告をしてくれる。これらのやり取りを通じてエンパワーの掘り起こしにつながれば」としている。
 人文字イベントの問い合わせや申し込み、はこぶねへの相談は、電話058(296)2172。

#はぐくみのわ #岐阜県 #ぎふ #児童虐待 #虐待 #児童虐待相談 #児童虐待防止 #189 #いちはやく #オレンジリボン #子どもの権利 #DV #ドメスティックバイオレンス #DV被害 #DV被害者 #性暴力 #たすきリレー

\ この記事をシェアする! /
2021/10/18  ©岐阜新聞社